【現役史学科生が徹底解説】史学科って何を勉強するの?本当に卒業後の選択肢は狭いのか

ぼくは某大学の文学部史学科に通う現役学生です。

かりーむ
かりーむ
なお現在は休学して、サウジアラビアの大学でダブルスクールをしています。

史学科というとほぼ決まって言われるのが、

史学科って将来何になるの?

このセリフ。

史学科は歴史を勉強しているだけで、卒業後の進路がいまいち想像できないと思われているのも事実です。

だから史学科に対してこんなイメージを持っている人も少なくないでしょう。

  • 歴史が将来なんの役に立つのか
  • 大学で実務的なことを学んでいない
  • 地味&非社交的な人が多い
  • 就職に不利

たしかにどれも間違いとは言い切れません。

でも史学科は歴史を使う仕事に就いているだけかというと、実は人によってかなり違います

海外留学してそのまま現地企業に就職した人や、外務省に入省した人、在外大使館勤めを始めた人など、卒業後の進路は幅広いです。

そこで今回は卒業後の選択肢が狭いと思われがちな史学科の実態について、徹底的に解説していきます。

史学科で学ぶこと

どこの大学の史学科でも共通しているのは、「歴史学とは何か」を学ぶということです。

中学・高校で学んだ「歴史」は、単純に史実を教科書で学ぶだけでした。

でも大学では、その史実を見出すための「歴史を研究する手立てや技術」を学びます

例えば「豊臣秀吉が天下統一を果たした」という史実はだれもが知ることですが、その歴史を現代人が知っているのはなぜか

それは歴史学者たちが、その時代の関連史料から研究したからです。

もっと分かりやすく言うと「教科書に載る」までの過程に関することを学ぶのが史学科です。

史学概論

「歴史学とはなんぞ」について勉強する入門科目

史学科生として絶対に学ばなければいけないため、必修になっている大学がほとんどです。

大学によっては「史学概説」「歴史学基礎」なんて呼ばれています。

入門科目ですが、これまでの歴史の勉強とは全く異なるため、1年生にとっては最初の難関です。

考古学概論

考古学研究の道を目指している人は必ず受けなければいけません。

ぼくは考古学とは無縁だったので、考古学関連の講義は一つも受けていません。

 

考古学のゼミに入ると、実際に遺跡に行って発掘調査もするそうですよ。

史料概論

「一次史料の取り扱いの基本」を学ぶ科目。

MEMO
一次史料:日記や書簡、公文書の原文をはじめとした、当事者によって記された手つかずの史料のこと。

歴史研究をするには、一次史料を読み込んで分析する力は必須です。

「吾妻鑑」や「平家物語」のような編纂された二次史料も大事ですが、それを読んだだけでは歴史研究になりません。

 

最終的に一次史料を確認して史実を導き出す必要があり、そのための基本を学ぶのが「史料概論」というわけです。

「史料概論」も必修になっている大学がほとんどです。

 

各専攻概説

史学科では大きく「日本史」「西洋史」「東洋史」「考古学」に分かれているパターンが多く、それぞれ専攻した分野を学んでいきます。

講義内容は中学・高校の歴史の授業に一番近いですが、かなり専門的かつ範囲もピンポイントであることが多いです。

実際にどういう講義があるのかご紹介します。

日本史概説

・古代史(大和政権と天皇)

・中世史(幕府誕生の歴史的意義)

・近代外交史(小村寿太郎)

・近代医学史(済生学舎と荻野吟子)

 

東洋史概説

・古代中国史(秦の始皇帝、三国志)

・東南アジア史(林邑やシャム、パガン王朝)

・イスラム学(クライシュ族とムハンマド)

 

西洋史概説

・中世イタリア史(公証人制度について)

・近代西洋哲学史(ハイデッガー哲学の性起等)

・近代フランス史(フランス革命)

 

このように中世イタリア史といっても、扱うのは「公証人制度」のピンポイントだし、とにかく専門性が強いです。

どこの大学でも原則、専攻に関係なく「日本史」「東洋史」「西洋史」を少なくとも一講義は受けることが義務となっています。

そうして幅広い分野を勉強した上で、最終的に自分の専攻と研究テーマを決めていくのです。

かりーむ
かりーむ
ちなみにぼくは「日本近代史」専攻です。

 

受験する史学科の選び方

史学科に入学するかは慎重に決めよう

史学科に入学したいと考えている高校生の皆さんには、今一度「本当に史学科で大丈夫か」と聞きたいです。

もしあなたが今、「歴史が好きだから」という理由だけで入学を考えているなら、それは少し危険かもしれません

 

史学科というのは先ほどから言っているように、「歴史を研究する手立てや技術」を学ぶ学科。

もっと言えば「研究職」「学芸員」「考古学者」「社会科教員」など、歴史学に関わりのある道を目指している人向けの勉強をするのが前提です。

 

なので中学・高校の歴史の授業を想像したまま史学科に入ると、学ぶ内容や講義のギャップにかなり戸惑うと思います。

ぼくもそのうちの一人でした。

かりーむ
かりーむ
入る学科ミスったああああ

と、後悔して大学へのモチベが一気に下がっていた時期もあります。

注意
好きなことを深く学ぶのはとても良いことですが、卒業後の進路をある程度見定めておかないと、進路の選び方によっては大学での学びが無駄になってしまう可能性もあります。

 

大学ブランドではなく研究実績で選ぼう

受験する大学をブランドで選ぶのは危険です。

例えば考古学を学びたい学生が慶應義塾大学に入るのはどうでしょう?

もちろん考古学概説の講義はありますが、國學院大学に比べたら考古学専門の環境とは言い難いです。

一方で医学史を学びたい学生にとって慶應はぴったりの環境です。

 

このように各大学の史学科にはそれぞれ強い分野と弱い分野があり、大学名のブランドだけで選ぶと思ったような講義が受けられず、満足な研究ができない可能性もあります。

かりーむ
かりーむ
ぼくの近くにも、大学選びに失敗したと嘆く知り合いは何人もいます。

なので受験生の皆さんは、史学科選びは慎重におこなってくださいね。

 

史学科にまつわるウワサと実態

ゼミ室にキノコが生えてる

なんでこんなウワサが広がっているのか。

他学科の友だち曰く、

陰気でジメジメした雰囲気っぽいから笑

とのことでした。

なめとんのかあああ!!!と言いたいところですが、全否定できないのがツラい…。

生えてるわけがないけど、生えていても不思議じゃないような独特の雰囲気に学科室は包まれています。

 

史学科は変態の巣窟

ある意味まちがっていません笑

好みがディープすぎるという点で、傍目から見るとなかなかのクレイジーっぷりかも。

・徳富蘇峰の崇拝者

・大久保利通を旦那にしようと画策する女子

・らほつ(大仏さまのパンチパーマ)マニア

・男色(BL)の歴史を本気で研究する腐女子の鑑

・書院造を見ると興奮するというド変態

などなど、クセが強すぎて手に負えません笑

事実は時にウワサよりも過激なのです。

 

地味な人たちの集まり

これは本当です(ごめんなさい笑)

もちろん大学や各学年によって多少ちがうけど、他学科と比べると地味で非社交的な雰囲気の人が集まっていると思います。

 

というのも、歴史研究というのは膨大な史料と向き合う作業の繰り返しなので、黙々と集中して仕事できる人が本領発揮する学問です。

そうした学問の性格上、寡黙であったり堅物な人が多いのかもしれません。

史学科 × 就職について

就職に不利といわれる理由

経済学や法学と比べると、卒業後の進路でなかなか直接的に役立ちそうにないのが史学です。

研究職や学芸員、教員など史学を活用する仕事を考えているなら問題ありませんが、一般企業だとなかなか歴史の知識を活用する場面は多くありません。

でも就活に不利かというと、そんなことはありません

 

歴史研究は膨大な史料と向き合う作業の繰り返しであるため、相当の根気が必要です。

地道な作業を確実にこなしていく力は、どんな仕事にも必要なので、そこは間違いなく一つの強みになります。

もちろんそれだけだと精神論の領域なので、自分の進路に必要な学習や資格取得は在学中にしっかりやっておきましょう。

史学科だから不利になるということはなく、結局は「その人自身にどんな能力があるのか」で決まります

 

史学科生の主な進路

史学科というと研究職や院進学、教員や学芸員が多いイメージですが、多くの人は一般企業に就職しています。

旅行会社に就職した人は、「旅行業務取扱管理者」の資格を取得していたり、「フィナンシャルプランナー」や「簿記」の資格を在学中に取得した人も多いです。

外務省に入省する人も実は少なくありません。

 

MEMO

このように卒業後の進路は一般的に思われている以上に幅が広く、海外勤務や国家公務員になる人たちは、留学したり必要な資格を取るなど、在学中にしっかり積み上げています。

 

主な大学の進路情報は各大学HPを参照してください。

歴史を学ぶ意味

ぼくたちの世代は、否が応でもグローバル化された世界で生きていくことになります。

グローバル社会で活躍するには、自国のアイデンティティをしっかり持っている人間でなければいけません。

自国のアイデンティティとは、歴史から学んで今に紐付けることで養われるものでもあります。

 

自国の歴史に無知な人は国際社会の舞台では信用に値しません

自国の歴史を知らない人材にその国の名を背負っていけるのかと言われたら、正直務まるとは思えませんよね。

例えば「フランス革命」に全く無知なフランス人がいたら、「え、自分の国のことなのに分からないの?!」ってなりませんか。

今生きる自分の国が、どういう歴史的背景を背負っているのか、どういう過程で現在に至るのか

 

それを学ぶことは一人一人の責務でもあると考えています。

人間は過去からしか教訓を学べません。

歴史はかえりみるだけのものではなく、新しい一歩を進むための指針でもあります。

 

歴史を学ぶことは、過去い向き合うと同時に未来志向なものなのです。

 

 

以上、今回はぼくが学ぶ史学科の実態をご紹介しました。

これから受験を控えている人などはぜひ参考にしてください!

 

それではまた。

 

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